情報 本邦における不法残留者数について(令和元年7月1日現在)法務省HP

名古屋市港区で行政書士とカウンセラーをしている佐々木です。主要業務は、外国人に関する出入国在留管理庁(入管)への申請・相談です。行政機関への許認可申請、相続、契約に関するご相談も受けております。

 

・ 令和元年7月1日現在の本邦における不法残留者数は,7万9,013人
・ 平成31年1月1日現在に比べ,4,846人(6.5%)増加

となっています。

日本に中長期滞在する外国人は昨日のブログでお伝えしたように、約283万人ですので、比率でみると2.8%となります。

1000人に対して、28人が不法残留者となるわけです。

多いと思うか、少ないと思うかはその人の置かれた環境などもあるので一概には言えませんが、多いと感じるのでは?

さて、国別ですがなんとワースト1は、ベトナムで今回初めての1位となりました。不名誉なことですね。

13300人、次いで韓国が12600人、中国が10800人となっています。

タイ、フィリピン、インドネシアとなっています。ブラジルは10位以下となりました。

さて、どんな資格の人が不法残留になっているのでしょうか?

圧倒的に短期滞在で約5万人で約3分の2を占めます。旅行者、親族訪問などの3か月未満での滞在者です。

この短期滞在者は基本的に、私たち行政書士が申請に携わることはほとんどありません。

2位は技能実習生の1万人超(13.7%)、次が特定活動の5千人超(6.8%)と、上位3資格で75%を占めます。

ここで、内容を紐解くとある特徴があります。

今回、不明用になったベトナムだけが技能実習生7,187人、短期滞在者809人と圧倒的に技能実習生であるという点です。

次にが技能実習生の比率が高い中国でさえ、技能実習生の占める割合は半分以下であり、ほとんど国は10倍近くの差がある。

韓国に至っては、技能実習生はなく、そのほとんどが短期滞在者である。

また、ベトナムは特定活動でも3分の1を占めている。

特定活動は、ワーキングホリデーだったりするのだが、ベトナムでワーホリ?となるところだが、ベトナム、ネパール、パキスタン、スリランカ等の国の方は、難民申請中という活動である。一般的な難民とは少し趣が異なります。

この難民申請中には、技能実習生であった外国人が逃げ出して、期間切れ間際に申請する方が多いのである。

実際、私のところにも、申請の相談や、すでに申請していて更新ができなかった方からの依頼もある。

あまり言いたくはないが、技能実習制度の悪い面が出ているのが現状である。

本人たちに聞くと、ブローカーから技能実習で来日し、その後、難民申請ビザで建設現場などの高賃金な仕事にありつくことできると言われている方が多い。騙されているので、気の毒である。

そして、申請理由である自国に帰国できない理由は、そういう方に限定されるがマフィアに命を狙われているというものである。

狙われる理由は、借金の返済が滞っているのだが、その借金の理由も身内が難病でその治療費・手術費が高額になったというものでそのほとんどが、300万円前後になっているのだ。300万円が命の値段であるのだろうか?

ほとんどの場合、ビザを得るためのでたらめであるため、入管も難民に対する通達も出ており、従前は更新更新で3年ぐらい審査期間となり日本に滞在でき仕事もできたが、現在は、3か月から半年で不許可の結果がほとんどである。

短期滞在も困ったものであるが、どちらかというと安易で計画性もないことが多いだろうし申請に関して入管は扱わない。一方、技能実習生は計画的であったり、制度そのものの歪からくるものであり、減らして行くことが可能であると考える。

特定技能では幾分そのあたりも含めて改良されているが、現在20人しかおらず、技能実習は昨対比でも10%以上伸びていることを考えると、これからもこの傾向は続くだろう。いや俟て、特定活動は審査が厳しくなった分、来年あたりからは半減するかもしれない。